特集2 心臓性浮腫とトルバプタン ~入院早期の体液管理における役割~
特集にあたって~心臓性浮腫とトルバプタン~
和泉徹
1
,
磯部光章
2
1医療法人恒仁会新潟南病院統括顧問/北里大学名誉教授
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科循環制御学教授
pp.95-95
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201401095
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トルバプタンが心不全患者の体液管理法の一つに新規導入されて,間もなく三年が経とうとしている。日本で創られた本薬剤が,既に10万人を超える心臓性浮腫患者に使用され,その効果と安全性が広く知られてきた。グローバルに見ても,日本の医療界が最も豊かな臨床経験を持っている。この間,トルバプタンの顕著な臨床効果が専門医の大きな関心を呼び起こし,水利尿薬がもたらす新たな病態が基礎医学者に根源的な問いを発している。それでは,この薬剤が本当に必要としている患者にきちんと届いているであろうか。甚だ疑問が残る。