特集2 心臓性浮腫とトルバプタン ~入院早期の体液管理における役割~
1.総論(Over View)
佐藤直樹
1
1日本医科大学武蔵小杉病院循環器内科・病院教授/集中治療室・室長
pp.96-101
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201401096
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心不全の主要病態は,心原性肺水腫,体液貯留(溢水),低灌流(低心拍出)の3つに分類され,多くの入院を要する心不全は,心原性肺水腫と体液貯留のいずれかの病態を呈している。体液貯留の治療には,利尿薬を必要とすることが多い。利尿薬は,ナトリウム排泄型と水のみを排泄する水利尿薬(トルバプタン)に分けることができる。一方,体液貯留は,臓器うっ血を伴うことが多く,その遷延は臓器障害を助長する。従って,臓器うっ血を早期に改善することが重要になるが,そのためには,2種類の利尿薬を適宜組み合わせ,効率良く治療を行うことが求められる。さらに,体液貯留を有する心不全の背景にある病態に対する介入も,同時に強化することが重要である。