第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
ワクチン ~がんワクチン~
山口佳之
1
1川崎医科大学臨床腫瘍学教室・教授
pp.315-320
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313315
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1991年,世界初のがん抗原遺伝子MAGE(melanoma antigen encoding gene)の同定以来,がんワクチンの開発研究が継続され,2010年,ついに去勢抵抗性前立腺がんに対する樹状細胞ワクチンSipuleucel-Tの承認に至った。現在,がんワクチンの開発が世界規模で実施され,凌ぎがけずられている。本稿においては,がんワクチンの理解に必要な事項を概説した。すなわち,がん抗原の分類,抗原提示・認識機構,がんワクチンの考え方と種類,がんワクチン研究の歴史である。特に,がんワクチン開発に必要なガイダンスの重要性とその確立に向けた我々の活動を示した。