第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
抗ウイルス薬
濵崎隆之
1
,
馬場昌範
2
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科難治ウイルス病態制御研究センター抗ウイルス化学療法研究分野
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科難治ウイルス病態制御研究センター抗ウイルス化学療法研究分野 教授
pp.308-314
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313308
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2012年5月に国内で非核酸系逆転写酵素阻害剤のリルピビリン(エジュラントTM)が認可された。本剤は既存の非核酸系逆転写酵素阻害剤に対する薬剤耐性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対しても効果がある優れた薬剤である。また,2012年8月に米国で新しいインテグラーゼ阻害剤のElvitegravirを含む合剤StribildTM が承認された。本剤は,Elvitegravirに加え2種の核酸系逆転写阻害剤とCobicistatを含み,1日1錠の治療を可能にする合剤であり,抗HIV効果と服薬アドヒアランスの改善が期待できる。一方,抗C型肝炎ウイルス(HCV)薬では,2011年にペグインターフェロン/リバビリンとテラプレビル(テラビック®)の併用療法が国内で認可された。これは既存の抗HCV治療に不応答な症例に対して効果を示すものとして注目されている。