特集2 骨粗鬆症治療における疼痛対策の意義 ~QOL向上をめざして~
7.骨粗鬆症の骨量減少防止とカルシトニン ~不動性骨粗鬆症,骨粗鬆症性骨折~
酒井昭典
1
1産業医科大学医学部整形外科学教室・准教授
pp.2667-2672
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201311169
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カルシトニンの骨吸収抑制作用は,発現が早く,用量依存性である。骨形成に対する明らかな抑制作用はない。不動により骨量は急速に減少する。カルシトニンは,不動や非荷重に伴う髄内血流減少と骨吸収亢進を抑制し,骨折直後の急激な骨吸収亢進を抑制することにより骨量減少を防止する。また,骨折に伴う疼痛を緩和する。カルシトニンを骨折前後に投与しても,アレンドロネートと異なり,仮骨のリモデリングを軽度抑制するものの,仮骨の大きさを変えず,骨折部の強度を低下させることなく,骨折治癒過程を障害しないことが動物実験から明らかになっている