特集2 骨粗鬆症治療における疼痛対策の意義 ~QOL向上をめざして~
3.骨粗鬆症による疼痛と薬物治療
射場浩介
1
,
山下敏彦
2
1札幌医科大学医学部整形外科学講座 准教授
2札幌医科大学医学部整形外科学講座 教授
pp.2644-2651
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201311146
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骨粗鬆症に伴う疼痛は,患者の日常生活動作レベルを決定する重要な因子である。骨粗鬆症に伴う疼痛には,骨折によるもの,骨折後の脊柱変形や偽関節によるもの,骨粗鬆症自体によるものがある。骨粗鬆症自体による疼痛発生機序の一つとして,骨吸収時に破骨細胞の形成する酸性環境が骨組織内の侵害受容性神経に存在する酸受容体を活性化することが考えられる。このような病態では,破骨細胞の活性化を抑制する骨吸収抑制剤が骨量増加や骨折予防効果以外に,疼痛改善効果も有すると考えられる。骨粗鬆症に伴う疼痛を治療する上では,痛みの原因を把握することが重要となる。また,薬物治療においては病態に合った薬剤の選択が疼痛改善に有効であると考える。