■原著
維持血液透析患者に対するダルベポエチン アルファ(ネスプ®)5μg/週の有効性の検討
島野泉
1
,
藤元紗代子
1
,
楠本三恵
1
,
中村紀子
1
,
出口孝史
1
,
松尾大
2
,
保利敬
3
1宗像医師会病院腎センター
2宗像医師会病院腎センター 医長
3宗像医師会病院腎センター 部長 [副院長]
pp.2420-2426
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201310132
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腎性貧血治療中の血液透析患者13例を対象に,ダルベポエチン アルファ5μgを週1回,24週間,静脈内投与の試験を実施した。その結果,4例はヘモグロビン(Hb)濃度低下のため,1例はHb濃度上昇のため試験を中止し,残りの8例は試験を完了した。完了した8例の平均Hb濃度は,試験期間中11g/dL前後で一定に維持された。また,平均血清鉄および平均総鉄結合能も試験期間中は一定に維持された。試験期間を通じて副作用と考えられる所見は認められなかった。
以上より,ダルベポエチン アルファ5μgの使用は,有効かつ安全であり,赤血球造血刺激因子(ESA)製剤の混在や投与頻度の異なる患者の混在を避けることができ,ヒューマンエラーの減少やhemoglobin cyclingの抑制による予後の改善が期待できる。