Japanese
English
特集 乳幼児期のワクチンと感染症
3.ロタウイルスワクチン
Rotavirus vaccines
中込治
1
,
中込とよ子
2
Nakagomi Osamu
1
,
Nakagomi Toyoko
2
1長崎大学・大学院医歯薬学総合研究科・感染免疫学講座・分子疫学分野 教授
2長崎大学・大学院医歯薬学総合研究科・感染免疫学講座・分子疫学分野 准教授
キーワード:
ロタウイルス胃腸炎
,
疾病負担
,
重症化予防
,
腸重積症
Keyword:
ロタウイルス胃腸炎
,
疾病負担
,
重症化予防
,
腸重積症
pp.35-43
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201403035
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
WHOはロタウイルスワクチンを乳幼児の定期予防接種に導入するように勧奨しており,発展途上国を含め約40カ国で定期接種ワクチンとして使われている。わが国でも2011年以来,任意接種ワクチンとして単価ロタウイルスワクチンと5価ロタウイルスワクチンが接種されるようになり,接種率は約40%になっていると推定される。一方,非常に小さいが,いずれのワクチンも統計学的に有意な腸重積症リスクがある。今後,定期接種化に向かって,ロタウイルスワクチンが重症胃腸炎による入院を予防するベネフィットを明確にし,それが副反応としての腸重積症のリスクを大きく上回ることを示すエビデンスを構築することが重要である。