特集 てんかんの新治療戦略と課題
8.高周波律動とてんかん
岡西徹
1
,
飯田幸治
2
,
越智文子
1
,
大坪宏
1
1トロント小児病院神経科臨床神経生理部門
2広島大学病院脳神経外科
pp.1305-1310
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201305103
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近年のデジタル脳波計の進歩により,高いサンプリング周波数での脳波記録が可能となり,80Hz以上の高周波律動(high frequency oscillation:HFO)の解析ができるようになった。HFOは,ripple(80~ 200Hz)とfast ripple(250~ 500Hz)に分類されている。生理的なHFOは一次感覚野,言語野,聴覚野,視覚野において出現し,てんかんによる病的なHFOは発作時の発作起始部位や,発作間歇期のてんかん原性領域に強く出現する。HFO解析から同定されたてんかん原性領域は,手術予後を反映することが証明されている。
てんかんにおけるHFOの臨床研究は,デジタル脳波計およびコンピュータ解析法の進歩とともに,急激に発展してきた。HFOの解析・研究はてんかん診断と治療の向上に重要な役割を担っている。