特集 在宅医療の現状と今後の展望
2.在宅医療を進めるための高齢者医療の課題
鳥羽研二
1
1独立行政法人 国立長寿医療研究センター・病院長
pp.1075-1079
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201304075
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超高齢社会における新しい医療と暮らしの方向性は,年齢に応じた適切な医療が提供される社会である。これまでの臓器別医療ではなく,生活機能重視の全人的医療,年齢に応じた快適な生活が営めるよう工夫された社会,認知症でも安心して暮らせる社会が求められている。
限られた医療資源や医療費を効率的に使う,一人で多くの病気を診断治療できる「老年病専門医」の臨床能力が今ほど問われている時はない。経験を生かし,医師教育,看護師教育,コ・メディカル教育,家族教育を含め,在宅のかかりつけ医と密接な役割分担を行い,高齢者医療のノウハウを社会に還元すべきであろう。