発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303837
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薬剤師を取り巻く環境が,医療の高度化・複雑化,医薬分業の進展,少子高齢社会などによって大きく変化している中で,薬剤師には,最適な薬物療法を提供する医療の担い手としての役割が期待されている。このような状況下,平成24年(2012年)3月には6年制教育課程を受けた薬剤師が輩出され,わが国の新たな薬剤師時代の幕開けとなった。
ところで,他の国々における薬剤の職能は,歴史的な職能である調剤と医薬品の交付から,最適な薬物療法のためのコンサルティングに拡大し,さらに一部の国々では,一定の制限の下ではあるものの,医薬品の処方にまで拡大してきている。その薬剤師の職能拡大の動機は,医療費の削減や患者アクセスの改善など,それぞれの国が抱える医療システムまたは医療経済上の理由によって異なる。
本稿では,米国と英国における薬剤師の職能拡大と,その際に薬剤師に要求される要件,教育システム等を紹介しつつ,わが国における薬剤師の職能拡大に関する問題点について,筆者の考えを述べる。