連載 Co-medical staff s のための ROD
日本の透析医の60%が知らない─ calciphylaxis(カルシフィラキシス):その2
鈴木 正司
1
1信楽園病院腎センター
pp.168-170
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000122
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前回述べた厚生労働省研究班が行った全国調査では,日本の3,760 の透析施設に質問票を送って1,838 施設(48.3 %)から回答があり,151 施設から249 例の該当例が報告された.しかし診断の正確さは別としても,1997 年の欧米での血液透析患者での発症頻度は数%とも,2008 年の報告では1~4 %ともされている.調査当時のわが国の透析患者総数が282,622 人であり,そのなかに占める249 例は単純計算すれば0.088 %となる.しかしこれらの249 例がすべて調査時点の症例とはかぎらず,過去に経験された例をも含むとすれば,単純に発症頻度を算出することは無意味である.この研究班では,年間1 万人当り2 人以下の頻度と報告しているから,毎年0.02 %以下ということになる.この249 例の発症時年齢は,61~70 歳(30.92%),51~60 歳(23.69 %),71 歳以上(21.29 %)と明らかに高齢透析患者に多い.女性が64.3 %であったが,性差はない.
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