歯の細胞生物学
象牙芽細胞の分化と歯髄の硬組織形成能
細矢 明宏
1
1松本歯科大学 口腔解剖学第2講座
キーワード:
幹細胞
,
細胞分化
,
歯髄
,
象牙芽細胞
,
象牙質
,
免疫組織化学
,
硬組織
,
歯髄細胞
Keyword:
Cell Differentiation
,
Dental Pulp
,
Dentin
,
Immunohistochemistry
,
Odontoblasts
,
Stem Cells
pp.25-30
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2016149815
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歯髄は,う蝕や咬耗,摩耗などで象牙質が侵襲を受けた際の防御反応として,硬組織を形成するという重要な機能をもつ.この硬組織形成は,歯髄細胞が象牙芽細胞様細胞ならびに骨芽細胞様細胞へ分化し,それぞれ象牙質および骨に類似した基質を産生することにより生じる.また近年の研究から,歯髄には象牙質および歯髄再生に関わる組織幹細胞が存在することも明らかになってきた.本稿では,歯髄細胞の硬組織形成細胞への分化能について概説し,硬組織再生療法の細胞供給源としての歯髄の可能性を紹介する.
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