発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015274642
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症例は66歳,女性.腰椎圧迫骨折にて前医受診時に高Ca血症を指摘され,保存的に加療され血清Ca値は一時的に低下した.しかし,3ヵ月後に血清Ca値が再上昇し,当院へ紹介された.当院来院後血清Ca値は低下し続け,半年後には安定した.一方,紹介後一時的に貧血が進行し,好酸球も上昇傾向を示したが,自然に改善に向かい9ヵ月後には正常化した.ALPの上昇はこれよりやや遅れ,1年後に正常化した.本例の高Ca血症の原因は不明である.経過中に顕性化した腎機能障害,好酸球増多,貧血,ALPの上昇などはアレンドロン酸の副作用かもしれないが時期的にはやや合わない.一過性に副腎機能が低下する病態があったならばこれらはある程度一元的に説明できる.しかし迅速ACTH負荷試験の結果はこの推測を積極的に裏付けるに至らなかった.
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