ESD手技の標準化に向けて
安全なESDのコツと偶発症の対処 咽頭・喉頭ESD
小山 恒男
1
,
高橋 亜紀子
,
依光 展和
1佐久医療センター 内視鏡内科
キーワード:
咽頭腫瘍
,
喉頭鏡法
,
術後合併症
,
上皮内癌
,
消化器系内視鏡法
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Carcinoma in Situ
,
Laryngoscopy
,
Postoperative Complications
,
Pharyngeal Neoplasms
,
Endoscopy, Digestive System
pp.387-392
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017217823
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咽頭ESDの適応は転移のない表在癌であり,術前に頸部超音波検査,頸胸部CTを施行し,リンパ節転移の有無を確認する.術中誤嚥を予防するために,挿管全身麻酔が必須であり,十分な空間を確保するために,彎曲型喉頭鏡の併用が必要である.咽頭ESDでは穿孔をきたす危険はなく,局注は必ずしも必要ではないが,上皮下層の視認性を向上させるために生理食塩水を0.5~1ml局注している.粘膜切開,剥離操作は食道ESDと同様の手技で可能だが,下咽頭は構造が複雑で難易度は高い.剥離を効率よく施行するには,良好な視野とトラクションを確保する必要があり,clip with line methodが有用である.咽頭ESDは機能温存性に優れた手技だが,難易度が高いため,high volume centerでの施行が望まれる.
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