大腸内視鏡のリスクマネジメント
前処置 経口腸管洗浄剤による腸閉塞・腸管穿孔の検証と対策
宮地 英行
1
,
工藤 進英
,
森 悠一
,
山内 章裕
,
加茂 初美
,
斎藤 さち
,
前川 友理
,
槇 京子
,
奥村 朋子
,
千葉 雅浩
,
堀越 知子
,
三浦 宮子
1昭和大学横浜市北部病院 消化器センター
キーワード:
大腸内視鏡法
,
腸穿孔
,
腸閉塞
,
経口投与
,
アルゴリズム
,
医療事故防止
,
医療ミス
,
看護生涯教育
,
現職教育
,
腸洗浄
,
MoviPrep
,
Golytely
Keyword:
Administration, Oral
,
Algorithms
,
Colonoscopy
,
Education, Nursing, Continuing
,
Inservice Training
,
Intestinal Obstruction
,
Intestinal Perforation
,
Medical Errors
,
Golytely
,
MoviPrep
pp.1585-1594
発行日 2016年10月20日
Published Date 2016/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017059979
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経口腸管洗浄剤は大腸内視鏡検査の前処置薬として広く使用されている.しかし,時として腸閉塞・腸管穿孔が発生する.腸閉塞・腸管穿孔は死亡することもある重篤な偶発症である.腸管洗浄剤内服に当たっては,その特性を理解し,適応を慎重に判断し,内服前から排便チェックを行い,内服中に排便がないときや腹部膨満感・嘔気などが出現した場合は,それ以上内服をせず,腸閉塞・腸管穿孔の発症を念頭に腹部CTを迅速に施行するべきである.しかし,この腸閉塞・腸管穿孔は,問診や症状,腹部所見,腹部CTでも事前に予測困難なこともあり,また途中まで内服して順調に排便があっても,突然発症する例もある.すなわち,腸閉塞・腸管穿孔は,「いつでも起こりうる偶発症」と「認識」して,患者観察を行うべきである.さらに,このリスクマネージメントを確実に実行するための体制づくりと,新入医師・看護師の教育も肝要である.
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