消化器内視鏡の技術革新-開発秘話と次世代内視鏡医療の構築に向けて
技術革新と開発秘話 LECSの普及と将来の展望
松田 達雄
1
,
比企 直樹
,
布部 創也
,
安福 至
,
江藤 弘二郎
1がん研究会有明病院 消化器外科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
腹腔鏡法
,
手術時体位
,
砕石位
,
トロカール
Keyword:
Gastrectomy
,
Gastroscopy
,
Laparoscopy
,
Stomach Neoplasms
pp.1359-1363
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016397515
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2006年にわれわれは粘膜病変を有さない5cm以下の胃粘膜下腫瘍に対して腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)を開発し,現在まで100例を超える症例に安全に適応してきた.2014年には胃局所切除の亜型としてLECSが保険収載されたことで,全国でも普及してきている.近年はInverted LECS,Closed LECS,CLEAN NET,NEWS,などのLECS関連手技が開発され,粘膜病変を有する粘膜下腫瘍やリンパ節転移のリスクがない早期胃癌に対して臨床応用されている.将来的には,胃癌に対してLECSとセンチネルリンパ節生検の併用ができるのではないかと考えている.今まで定型的胃切除を施行されていた患者が,センチネルリンパ節生検が陰性であれば,LECSで原発巣だけ切除し,胃癌の手術後患者のQOLが落ちない時代が近い将来来ることを願ってやまない.
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