消化器内視鏡の技術革新-開発秘話と次世代内視鏡医療の構築に向けて
技術革新と開発秘話 食道アカラシアに対する内視鏡治療 POEMの開発とPOETへの展開
井上 晴洋
1
,
南 ひとみ
,
池田 晴夫
,
鬼丸 学
1昭和大学江東豊洲病院 消化器センター
キーワード:
食道アカラシア
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
二酸化炭素
,
治療成績
,
Natural Orifice Translumental Endoscopic Surgery
,
Heller手術
Keyword:
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Esophageal Achalasia
,
Treatment Outcome
,
Natural Orifice Endoscopic Surgery
,
Carbon Dioxide
pp.1351-1358
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016397514
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食道アカラシアに対する新しい低侵襲の内視鏡治療として,「経口内視鏡的筋層切開術(POEM)」を2008年に開発して,現在までに筆者の病院だけでも1,100例を超える症例に施行した.成功率は97%以上であり,6年目までの中期成績も良好である.今後,長期成績を待つことにはなるが,現在では保険診療にも収載され,一般化したともいえる.さらにPOEMの発展型として,食道および噴門の粘膜下腫瘍に対して「内視鏡的粘膜下腫瘍核出術(POET)」を施行している.POEMと同様にトンネルを作成して,トンネル内で粘膜下腫瘍を核出する.長径5cmくらいまでの粘膜下腫瘍が良い適応となる.このように粘膜下層トンネルを用いた筋層疾患の治療は,3rd space内視鏡ともいわれ,治療内視鏡の新たな展開いえる.
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