大腸ESD/EMRガイドラインの正しい運用のために
使用する側からみた運用上のポイント 根治度判定と術後経過観察 臨床の立場から
坂本 琢
1
,
松田 尚久
,
山田 真善
,
中島 健
,
斎藤 豊
1国立がん研究センター中央病院 内視鏡科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
術後管理
,
リンパ行性転移
,
上皮内癌
,
大腸腫瘍
,
診療ガイドライン
,
治療成績
,
アメリカ
,
ヨーロッパ
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
疫学的モニタリング
,
側方発育腫瘍
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Carcinoma in Situ
,
Colonoscopy
,
Europe
,
Lymphatic Metastasis
,
Postoperative Care
,
United States
,
Colorectal Neoplasms
,
Practice Guidelines as Topic
,
Treatment Outcome
,
Epidemiological Monitoring
pp.61-68
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016121956
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早期大腸癌はその発育形式によって組織学的悪性度が異なることが指摘されている.すなわち,根治度判定において浸潤距離を評価する際に,陥凹型腫瘍と隆起型腫瘍を同じ範疇で扱うべきではないかもしれない.また,根治性は同時性リンパ節転移の有無がその拠所である.内視鏡治療単独で長期経過後再発をきたす症例が報告されており,長期成績も鑑みて根治度を検討すべきである.ゆえに十分な治療後経過観察を行ったうえでのデータが必要である.粘膜内癌については,Japan Polyp Studyの結果が公表され,根治切除と判断された病変は,3年後を目安とした内視鏡検査間隔が推奨される.一方,T1癌については,固定された方法は定められていないのが現状である.
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