消化器癌予防up-to-date
胃癌 食塩と胃癌 H.pylori感染との関連も含めて
豊田 武士
1
,
塚本 徹哉
,
小川 久美子
,
立松 正衞
1国立医薬品食品衛生研究所 病理部
キーワード:
アレチネズミ亜科
,
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃腫瘍
,
腫瘍遺伝子発現調節
,
胃粘膜
,
疾患モデル(動物)
,
食塩
,
Cyclooxygenase 2
,
発癌
,
CD177 Protein
Keyword:
Disease Models, Animal
,
Gerbillinae
,
Gastric Mucosa
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Gene Expression Regulation, Neoplastic
,
Sodium Chloride, Dietary
,
Cyclooxygenase 2
,
Carcinogenesis
,
CD177 Protein, Human
pp.1395-1400
発行日 2015年9月20日
Published Date 2015/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015402757
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食塩の過剰摂取は胃癌のリスク要因であることが,疫学的に明らかにされている.Helicobacter pylor(H.pylori)感染スナネズミを用いた検討で,食塩は用量依存性に胃癌を促進すること,食塩単独での促進作用はH.pyloriと比較して弱く,H.pyloriのco-promoterとしての機能が重要であることが示された.食塩はH.pylori抵抗性のIII型粘液を減少させるなど,胃粘液環境を撹乱し,H.pylori感染を促進する可能性が示唆された.実際に,食塩とH.pylori感染の複合によって,炎症関連酵素の発現増強,および胃粘膜遺伝子発現動態の変化が生じることが確かめられた.H.pylori感染者における減塩が,胃癌予防の観点から重要であると考えられた.
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