胃癌に対するESD/EMRガイドライン-正しい理解・運用のために
ESD・EMRガイドライン 外科医の見方
梨本 篤
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1新潟県立がんセンター新潟病院 外科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
死因
,
術後合併症
,
腫瘍再発
,
リンパ行性転移
,
生存率
,
高齢者
,
腫瘍-第二原発
,
診療ガイドライン
,
生存分析
,
第II相試験
,
治療成績
,
未分化癌
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Aged
,
Carcinoma
,
Cause of Death
,
Gastroscopy
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Postoperative Complications
,
Stomach Neoplasms
,
Clinical Trials, Phase II as Topic
,
Neoplasms, Second Primary
,
Survival Rate
,
Survival Analysis
,
Practice Guidelines as Topic
,
Treatment Outcome
pp.691-700
発行日 2015年5月20日
Published Date 2015/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015257343
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早期胃癌手術例の実態と成績を提示し,ESD/EMRの問題点を検討した.ESD/EMRガイドラインの内容にはエビデンスレベルの低いものが多く,エビデンスの集積が急務である.ESDにより一括切除率,根治率が向上したが,出血,穿孔の危険もあり,十分なトレーニングを受けてから実施すべきである.適応拡大病変に対するESDの有効性や安全性については十分なエビデンスがなく,現状では慎重に試みるべきである.高齢者は他病死が多いが,リンパ節転移陽性でも早期胃癌の手術成績は良好であり,適応外病変であることが判明した場合,重篤な偶発症の場合は外科的追加手術を考慮したい.また,EMR/ESD後10年間は1~2年ごとに定期的な内視鏡検査でのフォローアップが必要である.
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