発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006016591
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早期胃癌に対する内視鏡治療(EMR,ESD)はリンパ節郭清を伴わない局所のみの治療である.したがって,その対象は外科切除症例の検討から判明した,リンパ節転移のない病変のうち,病理組織学的ないくつかの条件を満たす病変となる.さらに治療前の内視鏡診断が100%でない以上,根治性の証明には,切除切片の病理組織学的検索が必須となる.EMRでは,潰瘍瘢痕の存在する病変や大きな病変を一括切除することは困難であり,分割切除になることで遺残・再発のリスクが高くなっていた.さらに,病理組織学的な根治度の評価が困難で,治療方針の決定に迷う症例も散見されていた.しかし,ESDが開発され,より大きな病変が一括切除できるようになり,詳細な病理組織学的評価が可能となったことで,内視鏡治療の適応拡大に大きな前進をもたらしている
©Nankodo Co., Ltd., 2005