消化器診療-30年と今後の展望
大腸領域の変遷と展望 炎症
大塚 和朗
1
,
渡辺 守
1東京医科歯科大学 消化器内科
キーワード:
Crohn病
,
大腸内視鏡法
,
生物学的製剤
,
大腸炎-潰瘍性
,
近代医学史
Keyword:
Biological Products
,
Crohn Disease
,
Colonoscopy
,
Colitis, Ulcerative
,
History, Modern 1601-
pp.43-49
発行日 2014年12月20日
Published Date 2014/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015108245
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この30年で炎症性腸疾患(IBD)は,患者数が増大しcommon diseaseとなった.治療法はステロイド主体のものから,多様な5-ASAの導入,生物学的製剤の驚くべき効果やタクロリムスなどの免疫調整治療の進歩により粘膜治癒が目標となった.病状評価は,臨床症状が主体であったものが,機器の進歩とともに客観的なものとなりつつある.病態も遺伝学的背景,免疫の異常,さらに腸内細菌の役割なども解析されている.厚生労働省研究班は,ガイドラインの作成,診断や治療法の開発などを通じ診療の均てん化に大きな役割を果たしてきた.今後は,よりよい診断・治療体系の確立,基礎研究に基づく新しい治療法開発とその臨床応用,そしてこうした情報の普及が重要である.
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