PSCとPBC-診断と治療の進歩
原発性硬化性胆管炎(PSC) PSCに対する肝移植
吉澤 淳
1
,
上本 伸二
1京都大学 大学院医学研究科外科講座肝胆膵・移植外科
キーワード:
肝臓移植
,
危険因子
,
再発
,
胆管炎-硬化性
,
胆管造影
,
治療成績
,
磁気共鳴胆道膵管造影
Keyword:
Cholangiography
,
Recurrence
,
Risk Factors
,
Liver Transplantation
,
Cholangitis, Sclerosing
,
Treatment Outcome
,
Cholangiopancreatography, Magnetic Resonance
pp.1463-1470
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015007618
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原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)は原因不明の慢性胆汁うっ滞性肝疾患であり,有効な治療法は確立されておらず,唯一の根治的治療は肝移植である.PSCに対する肝移植の短期成績は良好であるが,PSC再発の頻度は高く,再発によるグラフト肝不全により長期予後は不良である.さまざまな再発の危険因子について報告がある.とくに本邦からの生体肝移植の集計より近親者(一親等)ドナーが危険因子と報告されている.PSC再発後の治療法は確立されておらず,救命のための治療は再肝移植のみである.PSCに対する肝移植は,移植時期,手術方法,周術期管理の工夫,さらに,脳死肝移植の推進によりグラフト再発率,長期成績の改善に期待される.
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