胆膵疾患診療の最前線 難治疾患のよりよいマネジメントのために
胆膵疾患のマネジメント-胆膵癌を見据えて 硬化性胆管炎
田中 篤
1
,
滝川 一
1帝京大学 医学部内科学講座
キーワード:
IgG
,
Prednisolone
,
高ガンマグロブリン血症
,
大腸炎-潰瘍性
,
胆管炎-硬化性
,
胆道腫瘍
Keyword:
Biliary Tract Neoplasms
,
Colitis, Ulcerative
,
Immunoglobulin G
,
Hypergammaglobulinemia
,
Prednisolone
,
Cholangitis, Sclerosing
pp.437-442
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011130049
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・硬化性胆管炎は原発性硬化性胆管炎(PSC)、二次性硬化性胆管炎に分類される。近年はIgG4関連硬化性胆管炎が独立した疾患概念として提唱されている。・PSCの診断には、ERCP・MRCPによる胆管所見がもっとも重要である。・PSCに合併した胆道癌の半数近くはPSCの診断と同時期、あるいは診断後1~2年に発見されている。・PSCでは無症状でも大腸内視鏡検査を行うべきである。・PSCに合併する炎症性腸疾患は非典型例が多く、大腸癌の発症リスクが高い。・IgG4関連硬化性胆管炎には比較的高齢、血清IgG4高値、自己免疫性膵炎(AIP)や糖尿病・全身にわたる合併症の存在などの特徴があり、ステロイドが奏効する。・IgG4関連硬化性胆管炎の診断にも胆管所見が重要である。
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