消化器疾患診療支援のための栄養療法の最先端
膵炎の栄養管理
柳町 幸
1
,
丹藤 雄介
,
中村 光男
1弘前大学 大学院医学研究科地域医療学講座
キーワード:
Cholecystokinin
,
Insulin
,
経腸栄養
,
基礎代謝
,
膵炎
,
BMI
,
栄養管理
,
膵炎-慢性
,
経腸成分栄養剤
,
消化酵素
Keyword:
Cholecystokinin
,
Basal Metabolism
,
Food, Formulated
,
Enteral Nutrition
,
Insulin
,
Pancreatitis
,
Body Mass Index
,
Nutrition Therapy
,
Pancreatitis, Chronic
,
Combizym
pp.1097-1103
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014261350
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急性膵炎と慢性膵炎は,栄養障害をきたしやすい疾患である.急性膵炎は重症化すると全身への炎症波及や感染性合併症のため,エネルギー代謝や蛋白異化が亢進しkwashiorkor型の栄養障害をきたす.したがって,必要十分なエネルギーと蛋白質投与が必要になる.また,早期経腸栄養によるbacterial translocationの予防は感染合併を減少させ,栄養改善に有用である.慢性膵炎は慢性的なエネルギー不足と蛋白不足によってmarasmus型の栄養障害をきたす.各病期の病態に応じた栄養療法が必要になる.代償期は禁酒,疼痛緩和治療のうえ,十分な食事摂取量を確保する.非代償期は消化酵素薬投与とインスリン治療のうえ,必要十分な食事量を摂取させる.消化酵素薬補充後もビタミンや微量金属が欠乏しているようなら,これらの補充を検討する.
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