Barrett食道の診断と治療up-to-date
Barrett食道癌発生と逆流性食道炎
岩谷 勇吾
1
,
岡村 卓磨
,
山田 重徳
,
長谷部 修
,
中山 淳
1長野市民病院 消化器内科
キーワード:
Acetylglucosamine
,
Barrett食道
,
食道炎-逆流性
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
胆汁逆流症
,
胆汁酸と胆汁酸塩
,
炭水化物配列
Keyword:
Acetylglucosamine
,
Carbohydrate Sequence
,
Barrett Esophagus
,
Bile Acids and Salts
,
Bile Reflux
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Esophagitis, Peptic
pp.651-657
発行日 2014年5月20日
Published Date 2014/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014229238
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Barrett食道癌は逆流性食道炎による慢性炎症の結果生じたBarrett食道から発生すると考えられてきた.食道炎・Barrett食道の発生には胃酸のみならず胆汁酸の逆流が重要であり,胆汁酸はNF-κBを介して細胞増殖活性を亢進させ,またCDX2を介して腸上皮化生の発生に関与している.一方,慢性炎症に伴う種々のサイトカインの関与もBarrett食道・食道癌の発生には重要であり,その免疫応答の差異による病態発生の相違が注目されている.また,糖鎖αGlcNAcはBarrett食道癌の発生に抑制的に作用している可能性がある.逆流性食道炎の経過中にBarrett食道癌が発生することはきわめてまれだが,遡及的検討ではBarrett食道癌症例の多くで過去に逆流性食道炎を伴っており,両者は重要な関連性を有している.
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