肝移植-現状と展望
B型肝炎、肝硬変に対する肝移植
尾上 隆司
1
,
高橋 祥一
,
茶山 一彰
,
大段 秀樹
1広島大学 大学院医歯薬保健学研究院応用生命科学部門消化器・移植外科学
キーワード:
ウイルス活性化
,
肝炎-B型
,
肝硬変
,
肝臓移植
,
抗ウイルス剤
,
術前管理
,
B型肝炎ワクチン
,
再感染
Keyword:
Antiviral Agents
,
Hepatitis B
,
Liver Cirrhosis
,
Preoperative Care
,
Virus Activation
,
Liver Transplantation
,
Hepatitis B Vaccines
pp.1271-1277
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013319991
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
B型肝炎関連肝疾患に対し,肝移植はきわめて有効な治療法であるが,術後肝炎再発が問題となる.現在は,移植術前からの核酸アナログ製剤の投与,術中HBIG投与,術後併用投与が標準的予防法として確立し,B型肝炎に対する肝移植成績は著明に向上している.この方法は肝移植後de novo B型肝炎発症予防にも有効だが,標準化にはさらなる検討が必要である.医療経済および安全性の面で,HBワクチンを用いた能動免疫獲得は理想的であるが,従来奏効率は低かった.しかし免疫モニタリングを利用した移植後の免疫状態適正化およびHBワクチン長期投与により,効果的な能動免疫誘導およびHBIGと核酸アナログ製剤からの離脱が可能である.
Copyright © 2013, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.