消化管疾患に対する漢方医学からのアプローチ-現状と展望
消化管疾患に対する漢方医療の実際 イレウス
河野 透
1
1札幌東徳洲会病院 先端外科センター
キーワード:
Calcitonin Gene-Related Peptide
,
Dinoprostone
,
上皮細胞
,
腸粘膜
,
腸閉塞
,
薬物動態学
,
臨床試験
,
Calcitonin Gene-Related Peptide Receptors
,
治療成績
,
大建中湯
,
Adrenomedullin
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Epithelial Cells
,
Intestinal Mucosa
,
Intestinal Obstruction
,
Pharmacokinetics
,
Dinoprostone
,
Calcitonin Gene-Related Peptide
,
Treatment Outcome
,
Receptors, Calcitonin Gene-Related Peptide
,
Adrenomedullin
pp.189-196
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013120327
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エビデンス重視の現代医療で漢方は注目を集めてきている.その契機となったのが大建中湯の薬効機序に関する分子レベルの研究で,腸管運動に関与する神経伝達物質以外にも山椒や乾姜の成分が腸管粘膜上皮細胞から内因性ペプチドやセロトニンを動員し,腸管血流や腸管運動を改善,術後の炎症反応を抑制することが明らかとなった.これを契機に米国,日本で複数のプラセボ二重盲検臨床試験が行われ,大建中湯の腸管運動改善効果が証明されつつある.さらに,薬物動態を明らかにするため大建中湯の吸収試験が行われ,山椒や乾姜の有効成分が吸収されることも明らかとなった.大建中湯を術後早期に使用することでイレウス発症を抑制することが期待される.
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