消化管疾患に対する漢方医学からのアプローチ-現状と展望
消化管疾患に対する漢方医療の実際 炎症性腸疾患
加藤 順
1
,
一瀬 雅夫
1和歌山県立医科大学 第二内科
キーワード:
Crohn病
,
大腸炎-潰瘍性
,
温清飲
,
桂枝加芍薬湯
,
柴胡桂枝湯
,
柴苓湯
,
大建中湯
,
半夏厚朴湯
Keyword:
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Saiko-keishi-to
pp.197-202
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013120328
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炎症性腸疾患(IBD)に対して,現在のところ有効性を示すはっきりとしたエビデンスのある漢方処方はない.したがって,IBDに対する漢方薬の現時点での位置付けは,西洋薬を補完するものということになる.しかしながら,クローン病,とくに狭窄や癒着などを伴う症例に対する大建中湯や,潰瘍性大腸炎に対する柴苓湯などは有効である可能性があり,今後のエビデンスの構築が急務の課題である.また,潰瘍性大腸炎難治例に対して有効性が喧伝されている民間の漢方治療も存在し,それらに関する安全性,有効性,有効成分の解明にも期待したい.
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