透析骨症revival-その治療の展開
最近登場したカルシウム・リン・PTH治療薬の特徴とその適応患者 リン低下薬 鉄製剤 a.クエン酸第二鉄製剤
谷口 正智
1
,
平方 秀樹
1福岡腎臓内科クリニック
キーワード:
血液透析
,
心不全
,
腎不全-慢性
,
造血剤
,
鉄
,
疲労
,
Ferric Citrate
,
線維芽細胞増殖因子-23
,
Hepcidin 25
Keyword:
Fatigue
,
Heart Failure
,
Kidney Failure, Chronic
,
Hematinics
,
Renal Dialysis
,
Ferric Citrate
,
Fibroblast Growth Factor 23
,
Hepcidin 25, Human
,
Iron
pp.1605-1614
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017084627
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クエン酸第二鉄はカルシウムを含まないリン吸着薬としての働きだけではなく,鉄補充の点で重要であると考えられる.最近の臨床研究によって,貧血の有無にかかわらず鉄補充は心不全やQOLを改善することが明らかになっており,鉄補充の重要性が増している.クエン酸第二鉄が優れるもう一つの点は,血中FGF23濃度を低下させることである.FGF23濃度の上昇は心肥大をきたすとともに,透析期のみならず保存期慢性腎臓病(CKD)患者において有意な死亡リスクであることが報告されており,クエン酸第二鉄のFGF23低下効果は非常に意義深い.透析患者のおもな死因である心不全をコントロールするうえにおいて,リンを吸着して,鉄を補充して,FGF23を低下させるクエン酸第二鉄は有意義であると考えられる.
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