透析骨症revival-その治療の展開
最近登場したカルシウム・リン・PTH治療薬の特徴とその適応患者 リン低下薬 ランタン製剤
田中 佑典
1
,
井関 景子
,
國本 悟子
,
森畠 真里
,
重松 隆
1和歌山県立医科大学 腎臓内科学
キーワード:
Lanthanum
,
血液透析
,
消化器徴候と症状
,
腎不全-慢性
,
高リン酸血症
,
線維芽細胞増殖因子-23
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Signs and Symptoms, Digestive
,
Hyperphosphatemia
,
Fibroblast Growth Factor 23
,
Lanthanum
pp.1599-1604
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017084626
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2009年にわが国で市販されたカルシウム非含有リン吸着薬が炭酸ランタンである.炭酸ランタンは強力なリン吸着作用があり,既存の薬剤に比べ少量の錠数でリン管理を行うことが可能になった.強力なリン低下作用による高リン血症の是正,カルシウム負荷の回避から血管石灰化を抑制し生命予後の改善も報告されている.またFGF23低下作用も報告されており,生命予後改善に寄与している可能性がある.一方で,蓄積による毒性が発売当初から危惧されていた.これまでわが国で8年間の服用継続例の報告があり,アルミニウムにみられたような副作用は現時点では明らかでない.ただ消化管への沈着の報告があり,今後も長期の継続観察は必要であろう.
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