リハビリ・運動療法を活用した高齢腎不全患者の栄養管理
高齢腎不全・透析患者への栄養指導の実際 糖尿病網膜症による視力障害のある高齢腎不全患者
浅井 加奈枝
1
,
御石 絢子
,
幣 憲一郎
1京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部
キーワード:
運動療法
,
血液透析
,
視覚障害
,
腎不全-慢性
,
浮腫
,
糖尿病性網膜症
,
栄養指導
,
服薬管理
Keyword:
Edema
,
Diabetic Retinopathy
,
Exercise Therapy
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Vision Disorders
,
Medication Therapy Management
pp.1541-1547
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017062115
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症例は70歳,女性.慢性腎臓病(ステージG4A3),2型糖尿病,高血圧を有し,血糖コントロールおよび腎機能障害増悪のため精査・加療目的に入院となった.糖尿病網膜症による視力障害・リウマチによる関節の変形があり内服管理ができていなかったことや,市販品の利用が多く食塩摂取過剰といった食事管理に問題があった.また,身体活動量が低くサルコペニア・フレイルが懸念された.本症例に対して患者が理解できるようにイラストを中心として拡大した個別の指導パンフレットを用い適正な食事量を指導した.また,調理負担を減らすために市販惣菜を利用した減塩の工夫を紹介した.運動療法は自身で安全に実施できる椅子に座っての軽度有酸素運動・レジスタンス運動を紹介した.今後透析導入の可能性も考慮すると低栄養状態の予防が生命予後に影響し,サルコペニア・フレイル予防のためには継続的な栄養管理・運動療法の両立が必要不可欠であると考える.
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