高齢化のなかでのCKD-MBDにどう対応するか?
透析アミロイド症による骨・関節障害
川田 真宏
1
,
乳原 善文
,
高市 憲明
1虎の門病院腎センター
キーワード:
Beta 2-Microglobulin
,
関節疾患
,
血液透析
,
骨疾患
,
慢性腎臓病
,
血液透析膜
,
透析アミロイドーシス
Keyword:
Bone Diseases
,
beta 2-Microglobulin
,
Renal Dialysis
,
Joint Diseases
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.711-719
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016288278
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透析アミロイド症(HDA)はβ2-ミクログロブリン(β2MG)を前駆蛋白とする全身性アミロイドーシスである.その骨・関節障害は,近年の透析技術の進歩により発症までの期間が延長されているものの,現在も透析患者における主要な合併症の一つであることに変わりはない.発症機構の解明が未だされておらず,沈着したアミロイドを除去する方法はないが,発症危険因子を軽減することで発症を抑制することは可能である.ポリスルホン膜やポリメチルメタクリレート膜の使用やhigh performance膜の使用,透析液の清浄化,HDFやHFの選択,β2MG吸着カラムの使用は有効である.透析導入年齢はHDAの発症因子の一つであり,透析患者が高齢化する近年,HDAによる骨・関節障害でのADLやQOL低下は今後解決すべき問題となる.本症に対する積極的な対応が必要とされている.
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