透析アミロイドーシスと関連骨関節疾患
透析アミロイドーシス診療ガイドライン
星野 純一
1
,
乳原 善文
,
高市 憲明
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 腎センター
キーワード:
Beta 2-Microglobulin
,
Vitamin B12
,
危険因子
,
血液透析
,
しびれ
,
腎不全-慢性
,
整形外科
,
疼痛
,
EBM
,
酸化ストレス
,
診療ガイドライン
,
Pregabalin
,
透析アミロイドーシス
Keyword:
Pregabalin
,
beta 2-Microglobulin
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Pain
,
Risk Factors
,
Vitamin B 12
,
Practice Guidelines as Topic
,
Oxidative Stress
,
Evidence-Based Medicine
,
Orthopedic Procedures
pp.253-261
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2017000638
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透析アミロイドーシス(DRA)は,β2-ミクログロブリンを前駆蛋白としたアミロイド線維が,骨関節領域に沈着する疾患であり,長期透析患者の主要な合併症である.2010年の「アミロイドーシス診療ガイドライン」,2013年の「維持血液透析ガイドライン」により,診断基準の明確化と治療に関するエビデンスの理解が進んだ.DRAは全身性疾患であり臨床症状は個々に異なる.主要5症状,(1)多関節痛,(2)手根管症候群,(3)弾撥指(ばね指),(4)透析脊椎症,(5)骨嚢胞のうち,二つ以上を有する例を臨床的診断例とし,病理学的に確認できた症例を病理学的診断例とする.透析療法を受けているかぎりは新規発症の完全阻止は困難だが,高純度透析液や生体適合性の高いhigh-flux膜の使用などにより,新規DRAの発症は確実に減少した.このことは,リスク因子である慢性炎症や酸化ストレスの除去が,進展防止に有効であることを示唆する.そのほか,疼痛としびれの治療にプレガバリンやビタミンB12,機能障害の治療に整形外科手術が行われる.
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