骨関節障害・CKD-MBDの概念を再考する
治療介入の意義 目標範囲からはずれた患者を目標範囲へ治療介入することで生命予後が改善するのか? 観察研究から言えること
濱野 高行
1
1大阪大学 大学院医学系研究科腎疾患統合医療学
キーワード:
Glycosylated Hemoglobin A
,
糖尿病
,
リン
,
交絡因子(疫学)
,
ランダム化比較試験
,
傾向スコア
,
観察研究
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Hemoglobin A, Glycosylated
,
Confounding Factors (Epidemiology)
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Propensity Score
,
Observational Studies as Topic
,
Phosphorus
pp.631-638
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015272538
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CKD-MBDガイドラインでは,検査値の目標値は,生命予後に関する観察研究から予後が一番好ましい検査値の範囲で規定されている.しかし,糖尿病患者のコホート研究では低いHbA1cほど良好なアウトカムと関連していたが,無作為介入研究(RCT)で血糖値をintensiveに管理すると,むしろ死亡率が上昇した.この例のように,観察研究はいつも正しいわけでなく,介入強度を比較するRCTを施行しないと真実はわからない.つまり,検査値の目標値設定というパラダイムから,介入強度の比較というパラダイムに移るべきである.なぜなら,そもそも目標値は介入薬や介入方法によって違う可能性があるためだ.万一RCTができないなら,propensity scoreやfacility-level analysisといった洗練された解析手法を観察研究で使わなければならない.
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