糖尿病性腎症への進歩した腎代替療法-その標準化と個別化
合併症とその対策 脳血管障害の予防と対策
鶴屋 和彦
1
1九州大学 大学院包括的腎不全治療学
キーワード:
Droxidopa
,
Warfarin
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
心房細動
,
低血圧
,
糖尿病性腎症
,
動脈硬化症
,
脳梗塞
,
脳出血
,
Tissue Plasminogen Activator
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Atrial Fibrillation
,
Diabetic Nephropathies
,
Kidney Failure, Chronic
,
Hypotension
,
Renal Dialysis
,
Tissue Plasminogen Activator
,
Warfarin
,
Droxidopa
,
Intracranial Hemorrhages
,
Brain Infarction
pp.61-68
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014108398
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糖尿病性腎症を原疾患とする透析患者は脳血管障害のリスクが高く,わが国の透析患者全体と比較しても死因の割合が高い.糖尿病透析患者における特徴は,透析中および透析後立位での血圧低下をきたしやすく,血行力学性脳梗塞を起こすリスクが高いことである.その予防としては,ドライウエイトを適切に設定し,単位時間当りの除水量を少なくすることが重要である.透析患者では,心房細動の罹患率がきわめて高いが,脳卒中への寄与は不明であり,抗凝固療法による脳卒中抑制効果も明らかではない.血栓溶解療法は,透析患者でも適応となりうるため,専門医への搬送体制を整備しておくことが望ましい.また,脳血管障害発症後の腎不全管理では,頭蓋内圧が亢進しにくい透析法を施行すべきである.
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