糖尿病マネージメントup-to-date
合併症の診断と治療 脳血管障害
棚橋 紀夫
1
1埼玉医大国際医療センター 神経内科・脳卒中内科
キーワード:
危険因子
,
MRI
,
糖尿病-2型
,
動脈硬化症
,
脳梗塞
,
Tissue Plasminogen Activator
,
脳卒中
,
Pioglitazone
,
頭部CT
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Risk Factors
,
Tissue Plasminogen Activator
,
Brain Infarction
,
Stroke
,
Pioglitazone
pp.58-63
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008078755
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糖尿病は脳梗塞発症の独立した危険因子であり、脳梗塞の発症が約2~3倍高くなる。さらに耐糖能異常の状態から脳梗塞のリスクが上昇する。糖尿病は動脈硬化を進展させるが、動脈硬化の初期病変には内皮機能障害が関与している。アテローム血栓性脳梗塞と関連が深いのみでなく、多発性ラクナ梗塞の発症にも関与している。脳梗塞の診断は、臨床症状、CT、MRIなどの画像診断によってなされる。脳梗塞急性期治療は、発症後3時間以内の超急性期では組織プラスミノーゲンアクチベーターの静注療法も考慮される。糖尿病患者の脳卒中の一次予防には、血糖コントロールのみでなく厳格な血圧、脂質の管理が重要である。さらに、pioglitazoneが、2型糖尿病患者における心血管イベントの発症抑制効果を示すとする報告がなされ注目されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008