糖尿病性腎症への進歩した腎代替療法-その標準化と個別化
合併症とその対策 虚血性心疾患の予防と対策
白崎 泰隆
1
,
戸頃 康男
,
譲原 光伯
,
杉本 徳一郎
,
大貫 新太郎
,
湯浅 譲治
1埼玉県厚生農業協同組合連合会久喜総合病院 循環器内科
キーワード:
血液透析
,
腎不全-慢性
,
糖尿病性腎症
,
冠状動脈バイパス術
,
心筋虚血
,
急性冠動脈症候群
,
経皮的冠状動脈インターベンション
Keyword:
Coronary Artery Bypass
,
Diabetic Nephropathies
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Myocardial Ischemia
,
Acute Coronary Syndrome
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.69-77
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014108399
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透析患者の死亡原因の40%は,心血管合併症(心不全・脳血管障害・心筋梗塞)が占めている.虚血性心疾患のタイムリーな診断が重要であり,糖尿病,高血圧,加齢などのリスクと臨床症状に注目し,心電図変化や,胸部X線で虚血イベントが少しでも疑われたら速やかに心臓専門医に判断を委ねるべきである.心エコーや心臓CT,心筋シンチグラフィなども必要に応じ行い,最終的にゴールドスタンダードである冠動脈造影が必要となる.有意病変には早期に血行再建を考慮する.透析患者に一度心筋梗塞が発症すると,予後が悪いうえに,バスキュラーアクセスの変更も必要となることがある.透析導入前後や定期のスクリーニングでの虚血性心疾患の発見,専門医との連携による治療,および,進行と再発を予防する努力が必要とされる.
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