透析患者の中枢神経系障害
透析患者の中枢神経系障害と対応 微量元素、ビタミン欠乏と中枢神経系障害
辻 孝之
1
,
北島 和登
,
加藤 明彦
1浜松医科大学 第一内科
キーワード:
ビタミン欠乏症
,
Wernicke脳症
,
血液透析
,
食欲不振
,
腎不全-慢性
,
微量元素
Keyword:
Avitaminosis
,
Anorexia
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Trace Elements
,
Wernicke Encephalopathy
pp.1485-1489
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014021276
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尿毒症や慢性炎症のほか,視床下部に作用するレプチンやグレリンなどの内因性ホルモン物質が透析患者の食欲低下に関与する.さらに,食事制限や透析により一部の微量元素やビタミンは喪失する.微量元素,ビタミン欠乏による中枢神経系障害のなかで,ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症はもっとも重要であり,頭部MRIなどに異常がなくても,軽度の意識障害,複視,歩行障害など疑われる神経症状があれば,ビタミンB1の血中濃度の結果を待たずに速やかにビタミンB1の静脈投与をすべきである.
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