新しいCKD-MBDの考え方-ガイドライン改訂後の対応
ガイドラインでは語れないオピニオン 保存期のMBD管理の実際
稲熊 大城
1
1名古屋第二赤十字病院 腎臓病総合医療センター
キーワード:
Calcitriol
,
骨疾患-代謝性
,
食事療法
,
食品中のリン
,
吸着剤
,
慢性腎臓病
Keyword:
Bone Diseases, Metabolic
,
Calcitriol
,
Diet Therapy
,
Phosphorus, Dietary
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.101-105
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013150687
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)は,CKDの早期の段階から発症し,FGF23を含めた病態も明らかにされつつある.しかしながら,保存期におけるMBDの管理と治療に関しては不明な点が多く,確立されていないのが現状である.リン(P)の管理が重要であるが,臨床的には食事からのP摂取制限とカルシウム(Ca)含有P吸着薬の使用が行われる.P摂取制限には食物中に含まれるPの存在様式が重要であり,無機Pは小腸からの吸収がよく注意を要する.保存期の場合,Ca含有P吸着薬に関しては,血清Ca濃度の是正にも有用であるが,ビタミンD受容体刺激薬(VDRA)との併用で異所性石灰化のリスクが高まる可能性がある.ビタミンDの非古典的作用が注目されているが,PTHの抑制以外を主目的とした使い方は,不明な点が多く積極的には行われない.
Copyright © 2013, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.