維持透析患者の消化管疾患-症状からみた傾向と対策
食思不振並びに栄養障害(味覚障害を含めて)
磯部 伸介
1
,
加藤 明彦
1浜松医科大学医学部附属病院 第一内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃造瘻術
,
栄養障害
,
血液透析
,
食欲不振
,
腎不全-慢性
,
消化器系内視鏡法
,
味覚障害
,
Ghrelin
Keyword:
Anorexia
,
Gastrostomy
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Nutrition Disorders
,
Taste Disorders
,
Endoscopy, Digestive System
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Ghrelin
pp.153-158
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013135071
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透析患者の栄養障害の頻度は高く,生命予後も悪化する重要な問題である.栄養障害の原因としてMIA(malnutrition inflammation and atherosclerosis)症候群や,食欲低下,味覚障害などが挙げられる.グレリンは食欲促進に作用する消化管ペプチドであり,透析患者に投与することで食欲促進作用があることが報告されている.H.pylori感染も食欲低下をもたらすことが知られており,除菌によりグレリンの増加,体重増加をきたす.また,腎不全患者では味覚障害の合併も多く食思不振の原因の一つとなる.味覚障害の原因としては薬剤性や亜鉛欠乏が知られている.栄養障害の治療として経管栄養(PEG含む)があるが,倫理的な問題もあり重度の認知症患者に対する経管栄養には検討が必要である.
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