特集 大腸Ⅱc─革命のその後
序説
工藤 進英
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
pp.341-342
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000631
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“幻の癌”─大腸Ⅱcがそう揶揄されていた時代はすでに終わり,今新しい時代を迎えようとしている.私が1985年に初めて内視鏡で大腸Ⅱcを発見したとき,大腸Ⅱcは“幻の癌”や“秋田の風土病”といわれていた.というのも,その当時はごくわずかな粘膜不整や発赤を手掛かりにして病変を発見せねばならず,高い技量と集中力がなければ大腸Ⅱcを発見できなかった.この“幻の癌”を現実のものにするべく,情熱をもった多くの若き同僚達と一緒になってわれわれは今まで多くの大腸Ⅱcを発見してきた.本誌の前身である『早期大腸癌』が1997年に創刊されてから本年で25年目になる.本誌は『INTESTINE』と名を変えはしたが,全国の先駆者の先生方のさまざまな知見を交えながら,大腸Ⅱcをはじめとした大腸癌の診断・治療を進歩させてきた.今や大腸Ⅱcは世界的に周知されるようになり,大腸癌の病態解明も進んできた.
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