TOPICS 文献紹介〈腫瘍関連*〉
画像強調併用拡大内視鏡により診断された微小良性腺腫を無治療経過観察した場合のadvanced neoplasia 発生率に関する検討〔Review from ─ Am J Gastroenterol 2019;114:964-973〕
関口 正宇
1,2,3
,
大竹 陽介
4
,
角川 康夫
3
,
松本 美野里
3,5
,
冨澤 裕
6
,
斎藤 豊
3
,
松田 尚久
1,2,3
1国立がん研究センター中央病院検診センター
2国立がん研究センター社会と健康研究センター検診開発研究部
3国立がん研究センター中央病院内視鏡科
4太田記念病院消化器内科
5瀬谷ふたつ橋病院消化器内科・内科
6ワシントン大学(シアトル)消化器内科
キーワード:
advanced neoplasia
,
大腸内視鏡検査
,
大腸微小腺腫
,
無治療経過観察
Keyword:
advanced neoplasia
,
大腸内視鏡検査
,
大腸微小腺腫
,
無治療経過観察
pp.262-264
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000499
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大腸内視鏡検査にて最も多く発見される病変である大腸微小腺腫の取り扱いについては議論の余地がある.微小腺腫と内視鏡診断した病変全てを内視鏡的に切除のうえ病理評価を行うのが理想的であるが,微小腺腫の有病割合は高く,内視鏡切除や病理診断に伴う負担(医療費や医療資源の観点からの負担を含む)も考慮しなければならない.微小腺腫が癌を有する可能性は非常に低いことに加え,拡大内視鏡や画像強調内視鏡による内視鏡診断の進歩により癌の有無を高精度に診断できる点を考慮すると,無治療経過観察が微小良性腺腫に対して許容される可能性は高い.実際に本邦では,これまで,「大腸ポリープ診療ガイドライン」等で,微小良性腺腫に対する無治療経過観察が容認されてきたが,海外を納得させるような知見が不足している状況が続いた.
Copyright © 2020, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.