特集 大腸内分泌細胞腫瘍─WHOの考え方と日本の考え方
Ⅲ.大腸内分泌細胞癌(2)診断と治療
松田 圭二
1
,
八木 貴博
1
,
福島 慶久
1
,
島田 竜
1
,
小澤 毅士
1
,
端山 軍
1
,
土屋 剛史
1
,
野澤 慶次郎
1
,
橋口 陽二郎
1
1帝京大学外科
キーワード:
大腸内分泌細胞癌
,
診断
,
治療
,
手術
,
化学療法
,
予後
Keyword:
大腸内分泌細胞癌
,
診断
,
治療
,
手術
,
化学療法
,
予後
pp.39-46
発行日 2019年1月20日
Published Date 2019/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000295
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大腸内分泌細胞癌は,HE 染色標本で低分化腺癌あるいは未分化癌と診断された症例に対して内分泌細胞への分化を確認し,カルチノイド腫瘍と鑑別することで確定する.診断時にすでに69 ~ 94%の症例に転移がみられ,Stage Ⅳの頻度も33 ~ 65%と高い.一方で内分泌細胞癌の術前診断率は6~ 24%と低い.治療はリンパ節郭清を伴った切除が原則である.しかし術後早期に再発し,急速に発育進展することも少なくない.化学療法は,近年では通常の大腸癌に用いられる薬剤(ベバシズマブ,オキサリプラチン,イリノテカン)が使われているが,奏効率は低く,確立された化学療法レジメンはない.予後はきわめて不良であり,生存期間中央値は10 ~ 11.4 カ月である.
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