特集 これからの胃癌診療
10.切除不能胃癌に対する薬物療法
鈴木 伸三
1
1東京大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
胃癌
,
薬物療法
,
HER2
,
CLDN18.2
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
CPS
Keyword:
胃癌
,
薬物療法
,
HER2
,
CLDN18.2
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
CPS
pp.921-930
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003112
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
胃癌は,日本で多くみられるがんであり,2019年の統計では,男性で3番目,女性で4番目に多いがんであると推定されている.近年,日本における罹患率は緩やかに減少傾向であるが,高齢者人口の増加に伴い年間死亡者数は4万人超でほぼ横ばいを推移している.切除不能と診断された胃癌に対しては,生存期間の延長・症状緩和を目的して薬物療法が選択される.近年,胃癌薬物療法の分野においても免疫チェックポイント阻害薬の開発が進み,一次治療からニボルマブおよびペムブロリズマブが従来の化学療法で併用されるようになった.また,CLDN18.2陽性胃癌に対して新たな分子標的薬であるゾルベツキシマブ併用療法が承認された.さらに,HER2陽性胃癌に対して実用化されたトラスツズマブ・デルクステカンは,抗体薬物複合体という新しいタイプの分子標的薬であり,三次治療においても延命効果が示されている.本稿では,切除不能胃癌に対する薬物療法を解説していく.
Copyright © 2024, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.