特集 非乳頭部十二指腸腺腫・癌の診療方針
1.十二指腸腺腫・癌の疫学
芦澤 浩
1
,
吉田 将雄
1
,
小野 裕之
1
1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
キーワード:
十二指腸癌
,
疫学
,
リスク因子
Keyword:
十二指腸癌
,
疫学
,
リスク因子
pp.1471-1476
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002833
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非乳頭部十二指腸癌はまれな疾患であるが,欧米および本邦における罹患率は増加傾向にある.欧米では進行期での発見が多く,長期生存成績は不良であるといえる.本邦では,2016年より開始されたがん登録推進法に基づいた全国がん登録によれば,欧米と比べて罹患率がより高く,早期発見例が多い傾向を認めるが,癌の診断基準が欧米と日本では異なることから直接比較することは困難である.十二指腸癌の確立したリスク因子はFAPなどの遺伝性腫瘍症候群であり,特定の遺伝性腫瘍症候群を有さない患者集団においては,確立したリスク因子は明らかになっていない.今後さらなるデータの蓄積により,長期生存成績を含めた疫学的動向やリスク因子の解明が期待される.
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