特集 ここまで進んだ肝硬変診療
3.成因別肝硬変の診断と治療(3)アルコール性肝硬変の診断と治療 ―診療のコツは?
岩佐 元雄
1
1三重大学医学部附属病院消化器・肝臓内科
キーワード:
アルコール性肝硬変
,
糖鎖欠損トランスフェリン
,
蛋白・エネルギー低栄養
,
ハームリダクション
,
ナルメフェン
Keyword:
アルコール性肝硬変
,
糖鎖欠損トランスフェリン
,
蛋白・エネルギー低栄養
,
ハームリダクション
,
ナルメフェン
pp.1275-1282
発行日 2023年8月20日
Published Date 2023/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002778
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わが国の総飲酒量は微減傾向にあるが,アルコール性肝硬変の割合は24.9%と近年漸増傾向にある.アルコール性肝硬変の診断には飲酒量の把握が重要であり,問診の補完として糖鎖欠損トランスフェリン/トランスフェリン比(%CDT)などの飲酒マーカーを適宜使用する.また,血清マーカーやFibroScan®などの非侵襲的検査法を用いて肝線維化の程度を評価する.治療の基本は禁酒であるが,困難な例も多く,飲酒量の低減から始めるハームリダクションで対応する機会が増えている.栄養評価により蛋白エネルギー低栄養やサルコペニアと判定されたアルコール性肝硬変患者では栄養療法を行う.アルコール依存症の場合には積極的にアルコール依存症専門医にコンサルテーションする.
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