特集 GERD診療Update 2023
9.GERDと睡眠障害
栗林 志行
1
,
保坂 浩子
1
,
杉本 さやか
1
,
竹内 洋司
1
,
浦岡 俊夫
1
1群馬大学大学院医学系研究科消化器・肝臓内科学
キーワード:
胃食道逆流症
,
睡眠障害
,
覚醒反応
Keyword:
胃食道逆流症
,
睡眠障害
,
覚醒反応
pp.1186-1192
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002751
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胃食道逆流症(GERD)患者では日中だけではなく,夜間にも逆流症状が生じることが多いことが知られている.睡眠中に生じる胃食道逆流イベントは多くないものの,いったん逆流が生じると睡眠中は食道内の酸クリアランスが低下しており,GERDが重症化しやすい.また睡眠中は臥位になっていることから,逆流した胃内容物は容易に近位まで上昇し,咽喉頭まで逆流物が到達すると誤嚥のリスクがある.睡眠中に生じる覚醒反応に伴って胃食道逆流イベントが生じるが,胃食道逆流がさらなる覚醒反応を引き起こす悪循環が示唆されている.酸分泌抑制薬を投与すると逆流症状のみならず,睡眠障害も改善する.一方で,メラトニン受容体作動薬以外の睡眠薬はGERD症状を悪化させる可能性が示唆されている.
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