Japanese
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今月の主題 好酸球性食道炎の診断と治療
序説
好酸球性食道炎の疾患概念の変遷
Introduction
春間 賢
1,2
Ken Haruma
1,2
1淳風会医療診療セクター
2川崎医科大学・川崎医療福祉大学
キーワード:
好酸球性食道炎
,
歴史
,
診断
Keyword:
好酸球性食道炎
,
歴史
,
診断
pp.259-261
発行日 2018年3月25日
Published Date 2018/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201297
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疾患の頻度と概念の変遷
近年,本邦で徐々に増加している疾患が好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis ; EoE)である.筆者が初めてこの疾患を知ったのは,2005年5月にシカゴで開催された第106回米国消化器病週間である.本疾患は,アレルギー,特に食物アレルギーが関与する疾患であり,成人だけではなく小児にも認められ,狭窄のため嚥下障害を来す疾患であることに驚かされた.
日本に帰り,早速,PubMedでEoEをキーワードに検索をかけると,既に1960年代から海外では報告がなされていたが,当初は好酸球性胃腸炎(eosinophilic gastroenteritis ; EGE)の食道病変としての報告であった1)〜5).EoEとしての最初の報告は,1978年のLandresら6)の心窩部痛を主訴として受診した44歳,男性例で,食道内圧検査でvigorous achalasiaと診断された症例に合併したものとされている.EGEの一病変として好酸球浸潤が食道に起こることは,Landresら6)の報告の1年前,1977年にDobbinsら2)が報告している.
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